不思議迷宮録シレン

-欲望の町-


気がつけば・・・・

オレは山の頂・・・・

亡者巣食う山頂の町に居た・・・・!

「 いらっしゃいませ・・・・!

 当店は誰でもウェルカム・・・・」

「 フフフ・・・・

 ようこそシレンさん・・・・

 今日お呼びしたのは他でもありません・・・・」

「 当料亭『がけっぷち』の抱える負債・・・・

 総額10000ギタン・・・・

 耳をそろえて払って貰いましょうか・・・・!」

貴重品獲得の矢先・・・・

まさにその走り出し・・・・出鼻で・・・・

これが悪夢でなくてなんだ・・・・!?

「 ところがどっこい!夢じゃありません!

 現実です・・・・!これが現実っ・・・・!」

「 当然・・・・現金はお持ちでないようですから・・・・

 こちらで売買の機会を設けさせて頂きました・・・・

 ガイバラ先生の陶芸場へお越し下さい・・・・」

「 勝手に進めるなっ・・・・!話をっ・・・・!」

「 まだ売るとは一言も・・・・!」

「 フフフ・・・・そう熱くなさらずに・・・・!

 何もその貴重品を売れとは言っておりません・・・・!」

「 ・・・・?」
「 シレンさん・・・・!

 あなた確か倉庫に『壺』をお持ちでしたね・・・・?」

「 う・・・・!あれはっ・・・・!」
「 未識別ゆえ確信はありませんが・・・・

 山頂の町に保管すべき壺といえば

 『倉庫の壺』・・・・あるいは『合成の壺』・・・・!」

「 どちらにせよ高級な壺であることは変わりない・・・・!

 それをお売り頂いても結構・・・・

 ガイバラ先生も垂涎のことでしょう・・・・」

「 この・・・・悪党め・・・・!

 つくづく悪党っ・・・・!」

「 悪党・・・・!?

 人聞きの悪い・・・・!」

「 お忘れですか・・・・?

 この料亭の負債・・・・! 私への報酬の肩代わり・・・・!

 滞納しているのはあなたの方だということを・・・・!」

「 ・・・・ 」
「 反論の余地もなしですか・・・・フフ・・・・

 それとも手放す品の算段ですか・・・・?」

「 それとも・・・・返済を放棄して高飛び・・・・

 そんな妙な考えだけはなさらぬよう・・・・

 どうなるか解っていますね・・・・!?」

実際・・・・不可能ではなかった・・・・

シレンの現在の持ち物および倉庫のアイテム・・・・

その売値の総額は10000ギタンに届く額である・・・・

がっ・・・・駄目っ・・・・!

現実、窯元の展示場は壺で満杯・・・・飽和している・・・・

売ることのできるアイテムは必然絞られる・・・・!

返済したところで・・・・

LV1のままネブリ炭坑へ挑めば

必然・・・・破滅っ・・・・!

シレンの計画・・・・

破綻っ・・・・!

「 黄金郷を目指しているそうですが・・・・

 まだまだ・・・・到覇の可能性は残されている・・・・」

「 どうぞ・・・・存分に夢を追い続けてください・・・・!

我々は・・・・

その姿を心から・・・・

応援するものです・・・・!