不思議迷宮録シレン

-欲望の町-


10分後・・・・
「 いらっしゃいませ・・・・!

 売っていただく品物はお決まりに・・・・」

「 ククク・・・・!

 なに?・・・・それ・・・・?」

えっ・・・・?
「 買いに来たんだよ・・・・!今度は・・・・!

 そこにある変化の壺・・・・そして保存の壺・・・・

 もらってくぜ・・・・!」

「 か・・・・買うってお前・・・・!

 どこからそんな金を・・・・!」

「 質問をすれば答えが返ってくるのが当たり前か・・・・?

 なぜそんなふうに考える・・・・?

 バカがっ・・・・!」

「 ・・・・!」
「 どうした・・・・!何か問題でもあったのか・・・・?」
「 ナオキさん・・・・!

 シレンの奴・・・・どうやって工面したのか・・・・

 4000なんぼという大金を・・・・!」

「 ・・・・・・・・・・・

 お前・・・・奴から何か買ったか・・・・?

 シレンに金を払ったか・・・?」

「 い、いいえ・・・・そんなことは・・・・!

 ここに連れてきたときは素寒貧・・・・!

 無一文だったはずなのに・・・・どうやって・・・・!」

シレンは店に入る前・・・・

白紙の巻物を使っていた・・・・!

無論、巻物の名前を書き込むわけだが・・・・

「困った時の巻物」・・・・!

通常、白紙の巻物にこれを書き込むことはまずない・・・・

期待された効果が現れるとは限らないばかりか

時として窮地に陥る危険性を孕んでいることによる・・・・!

がっ・・・・例外も存在する・・・・

五体満足・・・・且つ無一文の時のみ・・・・

確実に発揮される効果・・・・

ギタンっ・・・・!

多額のギタンの獲得である・・・・!

「 この通りギタンはある・・・・!

 売れ・・・・!オレに壺を・・・・!」

「 誰が・・・・!そんな怪しい金・・・・」
「 ・・・・売ってやれ・・・・!」
「 し、しかし・・・・・・・・!」
「 なに・・・・臆することはない・・・・

 この期に及んで買い商売・・・・ということは・・・・

 あるんだろ・・・・返済の余地が・・・・!」

「 となれば・・・・どんな手を用いようと

 最終的に我々の利益に変わりはない・・・・

 落ちてる金だ・・・・その5000ギタンは・・・・!」

「 万一最後の手段・・・・泥棒に手を出したとしても・・・・

 不可能だ・・・・今の装備で町の入り口に

 辿り着くことなど・・・・!」

「 さっさとしろ・・・・!

 売るのか・・・・売らねぇのか・・・・!」

「 ぐっ・・・・!」
「 さ、3200・・・・!

 2点で3200ギタンに・・・・」

「 待てよ・・・・!

 忘れるな・・・・!こいつを・・・・!」 

( ね・・・・値切りの腕輪っ・・・・!

 そういえば持っていた・・・・こいつ・・・・!)

シレン・・・・

1600ギタン支払い

保存の壺 変化の壺を入手・・・・!

「 ククク・・・・ところでナオキさんよ・・・・!

 お前さっきオレが倉庫に合成の壺やらを

 溜め込んでるとか抜かしてたな・・・・!」

「 なに・・・・!」
「 自分は頭が良い・・・・切れるなどと・・・・

 思ってる奴ほど盲目だ・・・・

 自分の驕り・・・・勘違いにはな・・・・!」

「 なんだと・・・・?」
「 そんなに壺が欲しけりゃ・・・・!

 くれてやる・・・・!」

えっ・・・・!