不思議迷宮録シレン
-絶望の谷-
「 墓穴・・・・! 想定してなかった・・・・! カラクロイドを強制解除させられるなんてこと・・・・!」 |
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おにぎりを胃に押し込むシレン・・・・ 満腹度を回復し、仕切り直しを計る・・・・! |
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「 この地雷原・・・・罠の大洋を突き進むのはあまりに愚か・・・・! どこに何の罠があったかなんて 当然覚えちゃいねぇ・・・・!」 |
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それなら遠投の腕輪こっち・・・・! 無用の長物となった透視の腕輪は外し・・・・ パワーアップの巻物を使用・・・・! |
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投擲っ・・・・! 壁越しに発破をかける・・・・! |
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がっ・・・・いずれも魔蝕虫には命中しない・・・・! 自然発生するマッドレムラスに木の矢で対処するうち 弾も尽き始める・・・・! |
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「 これじゃあ埒が明かねぇ・・・・! 木の矢もそろそろタネ切れ・・・・かくなる上は・・・・」 |
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ジェノサイドの巻物・・・・! 白紙を含めれば計3枚ある・・・・! これでフロアのモンスターを絞り込み・・・・追いつめる・・・・! |
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ジェノサイドの巻物・・・・! 遠投っ・・・・! |
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ガイコツまおうに命中っ・・・・! ガイコツまどう系モンスターの存在が封じられる・・・・! |
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「 ハズレ・・・・だがこれでいい・・・・! 魔法弾の驚異が無くなったってことは・・・・ モンスターに変身しても安全ってこと・・・・!」 |
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モンスターに変身中は罠に掛からない・・・・! そして腕輪以外の装備の特殊効果が無効になる・・・・! これを利用すれば使い捨ての盾は最強の盾に変貌する・・・・! |
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そこでねむり大根の肉っ・・・・! 腕輪は無効にならないから 遠投の効果はそのままっ・・・・! 睡眠草は全てを貫通し相手に届くっ・・・・! |
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遠距離から魔蝕虫を制したまま・・・・ 寝込みを刺す・・・・! |
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そして邂逅・・・・! 魔蝕虫と遭遇する・・・・! |
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「 詰みだ・・・・! もはや負ける要素なんてない・・・・! これで王手・・・・完勝だ・・・・!」 |
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「 ククク・・・私はね・・・・長年・・・・ それこそ10年、20年と見続けてきた・・・・」 |
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「 生き死にのダンジョンに狂騒する羊・・・・ 極限状況下にいる風来人たちを・・・・!」 |
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「 ・・・・!?」 | |
「 所詮、お前は羊なのだ・・・・! 狼のふりをするな・・・・!」 |
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うっ・・・・! | |
2倍速・・・・! それも魔蝕虫だけじゃない・・・・! |
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長い硬直状態で失念していた・・・・! 最初にフロアにいたマッドレムラスも 当然2倍速のまま・・・・! |
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怯むな・・・・! 睡眠草を投げながらヒット&アウェイを続ければ・・・・ 勝機はある・・・・! |
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がっ・・・・!睡眠草の効果持続ターンは4・・・・! 2倍速の軍団を防ぎきることは出来ず・・・・ |
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追いつめられる・・・・! | |
「 失策だ・・・・! このまま戦ったところで
恐らく根負け・・・・ 魔蝕虫が眠っている隙に いったん変身を解除するしかない・・・・!」 |
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変身解除・・・・! ふたたびシレンの姿に・・・・! |
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瞬間っ・・・・! マッドレムラスのタックル攻撃っ・・・・! |
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直撃を受け・・・・! 転倒っ・・・・! |
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「 際どいところだったが・・・・ かろうじて生き残った・・・・!」 |
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「 魔蝕虫の姿が露出した今なら狙える・・・・! ジェノサイド・・・・」 |
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あっ・・・・!? | |
「 ない・・・・!? 白紙の入った壺っ・・・・!」 |
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失ったのは勿論・・・・先ほどの転倒の際・・・・ 加えて・・・・フロアは余す所なく罠で敷き詰められているため・・・・ |
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行き場を失ったアイテムは ことごとく消滅っ・・・・! 四散した・・・・! |
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シレンに残されたアイテム・・・・ どうたぬき−8( 三 会 仏 ド ) ドラゴンシールド+5( ト や 錆 皮 爆 見 竜 ) 使い捨ての盾 透視の腕輪 遠投の腕輪 13本の木の矢 大部屋の巻物×2 あかりの巻物 白紙:もんすたー 不幸の杖×3 ふきとばしの杖×4 一時しのぎの杖×2 ねむり大根の肉 クロムアーマーの肉×2 |
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「 くそっ・・・・! 白紙も身がわりも失っちまった・・・・!」 |
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「 確かに・・・・アイテム系統ごとに
壺へ振り分ければ 見通しが良く、手持ちのアイテムを把握しやすい・・・・! がっ・・・・ひとつ壺を失った時のリスクは計り知れない・・・・!」 |
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「 私がお前の立場なら・・・・リスク分散を考え・・・・ 一定戦力ごとに保存の壺に振り分けるぐらいのことは していただろう・・・・ということだ・・・・!」 |
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( 残りHPから逆算して・・・・ おそらく俺が耐えられるのはあと1ターン・・・・!) |
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一時しのぎの杖を投げつたとして・・・・ 結果はおそらく こう・・・・! |
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モンスターの肉を投げつけても同じっ・・・・! 結果は変わらない・・・・! |
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「 駄目だ・・・・! 敵は2倍速の上、周りは罠っ・・・・! 現状を打破する方法は 無い・・・・!」 |
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「 おいおい・・・・よせよっ・・・・! ほんのちょっと前・・・・ 人の忠告を無視して 罠を発生させておいて・・・・」 |
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もう降参か・・・・? あ〜〜〜〜ん? |
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( 悪魔っ・・・・! 見透かされる・・・・俺の戦略はすべて・・・・!) |
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勝てないっ・・・・! | |
思えば・・・・ 出来過ぎだった・・・・ 平素では考えられぬほどの僥倖っ・・・・ 一世一代の強運・・・・青天井っ・・・・ クロンの神に魅入られたが如くの天恵・・・・ そこに到達せよという天声であると・・・・! そう思って疑わなかった・・・・ |
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がっ・・・・ ひとたび薄皮が剥がれれば そこにはいつも通り・・・・ 行住坐臥変わらぬ自分・・・・ 困難乗り越える甲斐性などあるはずもなく・・・・ ここが到達しうる限界・・・・ 思い知らされる・・・・ 己が所詮、ここまでの人間であると・・・・! |
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ここまでの人間だからこそ・・・・誇りに思えっ・・・・! 胸に刻めっ・・・・! 俺は臆することなく戦ったっ・・・・! 戦い抜いたんだと・・・・! |
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胸を張れっ・・・・・・・・! 手痛く負けた時こそ・・・・・・・・ 胸を・・・・・・・・! |
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「 負けた上・・・・ さらに自分を貶めてどうする・・・・! 縋るなっ・・・・!」 |
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なっ・・・・! | |
「 人は勝たなきゃ嘘だ・・・・! 敗れて本当に無意味な・・・・無駄な一生だった・・・・! そんな一生を送っちゃいけない・・・・!」 |
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・・・・! | |
・・・・ そうだ・・・・! |
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勇気を出せ・・・・!二度三度なんて言わねぇ・・・・ ここ一度だけ・・・・・・・・勇気を・・・・! 生き残るための勇気・・・・! |
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そうだ・・・・!そう言えば俺は・・・・ 俺は今と同じような窮地を既に体験している・・・・ どこかで・・・・! |
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どこだ・・・・? | |
一体どこ・・・・? | |
あっ・・・・! | |
圧倒的閃きっ・・・・! | |
閃くっ・・・・! この土壇場で・・・・! |
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魔蝕虫殺し・・・・! 悪魔を殺す悪魔的奇手っ・・・・! |